<一般の皆様へ>

「シーティング:seating」とは直訳すると「座ること、座位保持」となります。

人は「立って」活動することと「寝て」休むことの他に、「座る」ことを日々行っています。仕事や食事といった机上の作業や、ソファーでくつろぐ、自動車に乗って移動するなど、案外多くの時間を「座って」過ごしています。もし、この時の「椅子」が具合の悪かったらどうでしょう?集中力が落ちたり、疲れやすかったり、食事も美味しくないかもしれません。

身体に何らかの障がいをお持ちの方や高齢で各部の機能が低下してきた方にとっては、健常者以上に「椅子」の影響が大きいものです。そして疲れや痛みを感じても自分ではその「(車)椅子」から容易に動けないとしたら・・・。電車や飛行機での長旅で窮屈な「椅子」でつらい思いをされた方なら、きっとご理解いただけることと思います。

日本では、本来床(畳)に座る文化のため、欧米に比べて椅子へのこだわりがあまり無かったうです。

体形や能力に適した「(車)椅子」に座ることで、障害者や高齢者の変形・拘縮や褥瘡などの二次障害を予防し、更には活動範囲を拡大させることに繋がっていきます。

この人に椅子・車いすを合わせ、生活の質を向上させる技術を「シーティング技術」と言います。

リハビリテーション専門職である理学療法士(PT)・作業療法士(OT)は、身体の構造や機能に加え環境を評価することを学んできておりますので、「(車)椅子に座った生活」を提案するのに適した職種といえます。

私どもの団体は、この理学療法士・作業療法士の立場から「シーティング」を通して国民の皆様に貢献できることを目的に2003年に設立しました。当協会の主催する研修等を経て、「シーティング」に関する知識と技術、そして問題解決のためのネットワークを有している理学療法士・作業療法士にシーティング・コンサルタントとして認定しております。(2018年1月現在123名)

「(車)椅子」でお悩みの方はぜひお近くのシーティング・コンサルタントにお声掛けいただければと思います。(一覧参照

<理学療法士・作業療法士の皆様へ>

NPO法人日本シーティング・コンサルタント協会は、理学療法士・作業療法士の立場からシーティングに関する学術・教育・製品評価・相談に関する事業を行い、国民の福祉に寄与することを目的に発足いたしました。

2018年診療報酬には疾患別リハビリテーションの対象として「シーティング」が盛り込まれ、その必要性は国も認めるものとなったわけですが、実際の医療・福祉の現場においては十分な対応がされているでしょうか。また、年間2万人近くを排出する理学・作業療法士ですが、その養成課程において「シーティング」に関する教育プログラムが確立されているかも定かではありません。

当協会では、この課題解決の一助として、シーティングに関する知識・技術の取得を目的としたシーティング・コンサルタント養成研修を開催、今日まで約1700人の理学・作業療法士が受講いただきました。また、認シーティング・コンサルタント認定者を中心に、各地での症例検討会や情報交換会を実施し、他職諸の方も交えて広く「シーティング」を知っていただく活動に取り組んでおります。

さらには日本で唯一の「シーティング」に限定した学術集会「日本シーティング・シンポジウム」を開催、シーティングに関する評価手法の開発やガイドラインの作成に取り組んでいます。

日本は少子高齢化が急速に進み社会保障費が財政をますます圧迫する中、「住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを、最後まで」とかかげる地域包括ケアシステムの構築が急がれております。

車椅子をはじめとした福祉機器の活用は、入院・入所期間の短縮や自立生活の延伸、社会的活動の参加機会増加などで欠かせないものとなります。多くの職種の皆様や企業の皆様と力を合わせ「(車)椅子」を通して、日本の将来に貢献できればと思っております。ご賛同いただける方はぜひご一緒に活動いただければと思います。

平成30年1月  特定非営利活動法人 日本シーティング・コンサルタント協会
理事長 丸山 陽一