人が椅子に座ることについて欧米では「seating:シーティング」技術が位置づけられています。日本語では「座位保持、座ること」となります。シーティング技術は椅子・車いすや座位保持装置を適切に活用し、障害のある人には二次障害を予防し自立性を高めることや、介護負担を軽減する技術となります。また、最近のシーティング技術では予防の視点がより重要になり、一般の生活でも椅子座位での腰痛予防や作業性向上への配慮も必要となってきています。NPO日本シーティング・コンサルタント協会では、リハビリテーションで重要な役割を担う、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)を中心にシーティング技術の教育活動、医療関係職種・介護保険関連職種向けには普及啓発事業として研修会等を企画運営してきています。現在では、PT・OTを中心とした会員が約500名になり、シーティング・コンサルタントとして、活躍している会員は全国で約30名となりました。

日本では高齢者の「寝たきり」が社会問題になっていますが、北欧には「寝たきり」という概念がありません。それは椅子文化とシーティング技術を中心とした福祉用具を自立支援に用いる体制が整備されているからです。日本の介護保険制度においても「身体拘束ゼロの手引き」の中で座る能力に応じた椅子、車いすの対応が解説されています。また、医療機関では褥瘡対策に関する診療計画書に座位保持の項目があり、日本褥瘡学会の「褥瘡対策の指針」に座位能力分類による対応が示されています。

これから、より高齢な方や障害のある人の自立的生活支援は重要となります。シーティング技術は高齢な方や障害のある人の座位能力、身体機能等に合わせた椅子・車いすを選び、調整・適合させることで介護予防を促進し、自立支援に向けた暮らしを提案できると信じております。

これらのNPO日本シーティング・コンサルタント協会の趣旨に、ご賛同頂ける方は是非、教育・研修プログラムにご参加頂きたいと存じます。

理事長 木之瀬 隆